『ドリフターズ(漂流者)』達の熱き戦い

豊久の真っ直ぐな武士としての姿、信長の卑劣とも言える理にかなった策略、そんな二人を陰から支える与一。生きた時代は違えども、武士としての志は皆同じ。そんな熱い戦いを見てみませんか?

この作品『ドリフターズ』は
西暦1600年、天下分け目の合戦と言われ、徳川家康率いる東軍と石田三成を中心とした反徳川勢力の西軍に分かれ戦った関ケ原の戦いに、西軍として参戦していた島津軍総大将・島津義弘を徳川軍の追撃から逃がすため、島津義弘の甥で本作の主人公・島津豊久が殿(しんがり)を務めて義弘を無事に薩摩へ逃がし、追撃してきた徳川四天王・井伊直政に重傷を負わせ退却させるも、豊久も複数の兵士に槍で刺され重傷を負います。

それでも豊久は薩摩の地に帰るため歩き出しますが、突然景色が変わり謎の男「」によって、エルフやオークのいる異世界に飛ばされてしまいます。瀕死の豊久はエルフの兄弟に運ばれ一命をとりとめ、同様に流れ付いた織田信長・那須与一と出会い、その地で「漂流者(ドリフターズ)」と呼ばれる豊久らは、成り行きと武士としての本能から、人間が支配するオルテ帝国に虐げられるエルフの村を解放し味方に付けると、その勢いのまま「国奪り」を開始する。

といった感じで始まって、同じく謎の女「EASY」の送り込む「廃棄物(エンズ)」達との闘いを描いています。

島津豊久って誰?

知る人ぞ知るこの作品の主人公・島津豊久ではありますが、知らない人の方が圧倒的に多いですよね?
島津のお家芸と言われる釣り野伏せを得意戦法とし、九州全土を平定するまであと一歩の所まで迫り、九州の覇者と呼ばれた島津家

その立役者である島津四兄弟。家督を継ぎ当主となった長男・島津義久を筆頭に、次男・島津義弘、三男・島津歳久、四男・島津家久

そんな兄弟の中でも戦上手で知られる四男・島津家久の嫡男(長男)が島津豊久です。父と同じく戦上手だったと言われており、最初に書いた関ヶ原の戦いにおける島津の撤退戦を、鳥頭坂の退き口(うとうさかののきぐち)と言い、豊久がいなければ島津は全滅し、後の薩摩藩は無かったかもしれないと言われるほど、壮絶な戦いの中で散ったとされる武将です。

これは余談ですが、鳥頭坂の退き口で負傷した井伊直政は、関ケ原の後も徳川家に貢献するのですが、結局この時に負った傷が元で亡くなったと言われています。

第六天魔王・織田信長

そして飛ばされた世界で豊久が最初に出会う人物・織田信長
誰もが耳にした事があるように、戦国時代に旋風を巻き起こし、豊臣秀吉が成す天下統一の基盤を作った戦国大名であり、浅井・朝倉打ち取った後、その頭蓋骨で酒を酌み交わし、長島一向一揆では降伏した人々を皆殺し、霊峰と言われている比叡山焼き討ちなど、敵には容赦が無く『第六天魔王』とも恐れられた人物。

作中では、コミカルなキャラとして描かれていますが、なぜ信長が『第六天魔王』なんて異名を持っているか知っていますか?

仏教の世界観では 三界といってこの世を大きく三つに分けます。
無色界はあらゆる欲も色もない清らかなな精神だけの世界であり、色界は欲はないけれども色(物質 肉体)のある世界、そして欲界は欲望だらけの世界と言われています。

欲界は地獄界や私達の住む人間界、つまり現世で、欲天と呼ばれる天界の下層部の六層も含まれています。この欲天の最上天が他化自在天こと第六天で、欲界のトップに君臨しているのが「第六天魔王」と呼ばれる存在です。要は無の仏教に対して、欲の塊といった感じですね。

※要約すると仏教の敵

比叡山焼き討ち事件の後、生き残った僧侶達は織田信長の対抗勢力であった甲斐の武田信玄に助けを求め、武田信玄は織田信長の仏をも恐れぬ仕打ちに怒り、信長に対して書状を送ります。

内容はもちろん比叡山焼き討ちに対しての抗議で、武田信玄はこの書状に天台座主沙門信玄と署名して送っているのですが、この署名には、天台宗の最高位・座主の代理である武田信玄よりという意味が込められています。

その返事に書かれていた織田信長の署名が第六天魔王信長でした。信玄が仏教の最高権力者の代理なら自分は仏教最強の敵だと名乗った訳です。つまり…自称

那須与一??

そしてもう一人の人物・那須与一(なすのよいち)
凄い人物なんですが、この三人の中では一番知られていない人物なんじゃないでしょうか。

源氏と平家の戦い・源平合戦は習った覚えがある人も多いはず。源平の戦い(源平合戦)には有名な所で「一ノ谷の戦い」「屋島の戦い」「壇ノ浦の戦い」があります。

那須与一は「屋島の戦い」の時に、「揺れる舟の上の扇の的を射よ」との平家の挑発に源氏の代表として、この難しい的を射ることに成功しました。矢が的を射たことで、源氏の武運が勝ると見られ、平家が没落していきます。さらに、「壇ノ浦の戦い」で平家が決定的な滅亡を迎えます。その「大事な転換点」になったのが、平家物語の「那須与一の扇の矢」です。

つまり、源義経(みなもとのよしつね)の部下にあたる人物。
生没年から考えると、屋島の戦い(1185年)の際には15~6歳前後、亡くなったのは20歳前後と、若くして亡くなったようで、作中でも一番古い時代に生きた人物なのに、一番若い見た目で登場します。

他にもドリフターズ側・エンズ側に分かれ、生きた時代が違うさまざまな偉人達が登場し、熱い戦いを繰り広げていきます。

漂流者と廃棄物の違いとは?

どこかの世界から飛ばされてきた者をドリフターズと呼ぶ。
そしてその中でも人ならざる者をエンズと呼ぶ。

このように冒頭シーンで語られるのですが、いやいや…どっちにしろ人ならざる者でしょう。と思いませんか?少なくとも私はそう思いましたし、作中でも新しいドリフターズが登場すると、その人物がどっち側なのか…本人すらわかっていません。飛ばされた当人達にしてみれば、自分の意志で来たわけではないので当然かもしれませんが…

最初に書いた通り、紫という謎の男に飛ばされたのが漂流者。

EASYという謎の女に飛ばされたのが廃棄物。

このように分けてしまえば簡単なのですが、この紫とEASYの2人はライバルもしくは敵といった関係性だと思われ、何らかの理由で登場人物は2人の駒として代理戦争をさせられていると感じられます。

そしてそれぞれにはある共通点が見えてきます。

信長も本能寺の変で明智光秀に討たれたのは有名ですが、結局は亡骸が発見されていませんし与一は没年不詳で豊久もあまり詳しくわかっていないようです。
他のドリフに関しても史実ではっきりとした記述がない人ばかりなんです。

エンズに関しては、この世を憎んで憎んで憎み切っている者たちと言われています。

ではなぜエンズがそのような設定になっているのか、彼らの死に際を知ると理解していただけるかと思います。

ラスプーチンは暗殺、ジャンヌは処刑されています。
ジャンヌに至っては救国の英雄だったにも関わらず最期は魔女として火刑に処されました。

土方も味方から狙撃されたという話もありますし、アナスタシアはロマノフ王朝がロシア革命により滅ぼされた際に銃殺されています。皆なにかしら無念の、非業の死を遂げているんです

そんなエンズを取りまとめる謎の存在・黒王と呼ばれる人物。

原作でも未だ正体不明の黒王ですが、一体黒王とは何者なのか…鋭い方は見ている内に、もしかして…と頭に浮かぶ人物も出てくるかもしれません。

そんな事も考えながら、楽しめるのもこの作品の魅力ではないでしょうか?武士の生き様に魅せられる…『ドリフターズ』見てみてください♪胸に響くものがきっとありますよ♪

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